●基本的な銀行審査の押えどころ<住宅ローンの場合>
住宅ローンの特徴は、借り入れる人の住宅を担保にして借入れをするので、住宅に対しての審査をするという点です。
銀行審査の基本は、「返済比率」と「担保掛目」です。
自分の年収と購入する物件の価格・住宅ローン借入希望額(他ローンがある場合はその年間返済額)が判れば、自分で「返済比率」と「担保掛目」が計算できるので、自分が申請しようと考える住宅ローンは銀行のローン審査が通るだろうか、大体の判断が成り立つでしょう。
但し、各人のその他諸条件により、これだけでは絶対に銀行の審査が通るという保証はありませんので、油断しないように!
【基本の「返済比率」は35%まで】
返済比率とは、「住宅ローンの年間返済額」と「他ローン:マイカーローンや教育ローンなどの年間返済額」と足した金額が、借入者の年収に対してどれくらいの割合を占めるかの比率です。
例:年収600万円、住宅ローン借入希望額3500万円
他ローン(教育ローン)年36万円の場合
返済比率の計算は・・・
(「住宅ローン年間返済額」+「教育ローン返済額」)÷「年収」
( 「約186万円」 + 「36万円」 )÷ 600万円=37%
になります。
一般的な銀行審査の返済比率は35%以内なので、このケースは銀行審査に通らず、希望通りの金額は融資してもらえません。
3000万円の借入れなら、返済比率は32.6%なので基準内の計算ですね。
☆ここで注意!☆
当初金利が3年間1%といった場合がありますね。
このような場合、要注意です!
3500万円・35年ローンで融資を受けた場合、年間返済額は約119万円で問題なしと考えがちですが、そうではありません。
銀行審査は、普通、変動金利や固定金利選択型を融資するときには、「審査金利」なる金利で返済額を計算するのですよ!だいたい、3〜4%が一般的です。
こう計算する理由は、金利が将来上昇した場合でも、住宅ローンを滞りなく支払えるかを見るためだそうです。
銀行によっては、この返済比率を40〜45%まで認めるところもあります。
【「担保掛目」もきっちり押えておこう】
担保掛目とは、持ち家の「価値」に対する「住宅ローン借入希望額」の割合を指しています。
このときの「価値」とは、購入時で言えば購入価格か銀行で審査する評価のどちらか低いほうという意味です。
例:新築一戸建て購入価格4000万円・住宅ローン借入希望額3500万円の場合担保掛目は・・・
「住宅ローン借入希望額」÷「購入価格」
「3,500万円」 ÷「4,000万円」 =87.5%
となります。
近頃では、担保掛目100%つまり頭金ゼロでもOKという住宅ローンも増えています。住宅金融支援機関(旧住宅金融公庫で政府系の金融機関)と民間企業が提携して提供する住宅ローンであるフラット35などは、審査基準が担保掛目80%までという条件がついているものもあります。
☆ここで注意!☆
住宅ローンの借り換えをする場合です。
今現在、住宅ローンを抱えている人は、担保評価についてはなすすべがありません。不動産価格の上昇や下落に対しては、手の打ちようがありませんからね。
今支払っている住宅ローンを組むときに、頭金なしの100%ローンなんていうウマイ条件で借りているが、ここんとこの低金利でもっと有利な住宅ローンに借り換えをしようとしたが、不動産価値の下落という理由で銀行審査に落ちた人の話はたくさんあります。
借り換えだけの場合は、この担保掛目を200%〜300%まで認める銀行も有るようです。